うつ病から復職した夫と、無理をしないために夫婦で決めた5つのルール

「無理をしないようにね」

夫がうつ病から復職するとき、病院の先生、産業医の先生、夫の上司、何度もそういわれました。

私自身も夫に「無理だけはしないでね」と言っていました。

ある時ふと、

「無理をしない」って、具体的にはどういうことなんだろう。という考えが出てきました。

仕事に戻れば、多少無理をしなければならない場面もあります。

出社できている。
普通に話ができている。
仕事もできている。

周りから見れば、順調に見えることもあるでしょう。

だからこそ、どこまでなら大丈夫で、どこからが無理なのか。

それは、本人にしかわからない部分。

そこで夫が復職する前に、私たちは「無理をしないためのルール」を夫婦で話し合って決めることにしました。

もちろん、このルールがあれば絶対に無理をしなくなるわけではありません。

それでも、「まだ大丈夫」と頑張り続けてしまう前に、一度立ち止まるための目安にはなるかもしれない。

そんな気持ちで作った、我が家なりのルールです。

目次

うつ病からの復職で「無理をしない」が難しい理由

うつ病から復職したからといって、毎日ずっと調子が悪いわけではありません。

元気に出勤できる日もある。

人と普通に話せる日もある。

仕事ができる日もある。

だからこそ、本人も周りも「もう大丈夫なのかな」と思ってしまうことがあります。

でも、外から見える状態と、本人の中にある疲れが同じとは限りません。

「今日は大丈夫だったから、明日も大丈夫」

とは限らない。

仕事を続けていくためには、今の体調だけではなく、疲れが積み重なっていないかを見ることも大切なのではないかと考えました。

そこで私たちは、「限界まで頑張らないための目安」をいくつか決めました。

① 土日のどちらかは、身体を休める

土日が休みなら、2日とも休めている。

最初はそう思っていました。

でも、実際にはそうとは限りません。

買い物に行ったり、人に会ったり、病院へ行ったり。

休みの日にも予定は入ります。

そうしているうちに、休日なのに身体を休める時間がなくなってしまうことがあります。

そこで、

「土日のどちらかは、予定を入れずに身体を休める」

と決めました。

何もしない日を、意識して作る。

休むことも、予定のひとつにする。

仕事を続けていくためには、それくらい意識して休む必要があるのかもしれないと思ったからです。

② 残業が続いたら、一度立ち止まる

夫は、残業が続くと体調に出やすいところがあります。

基本的には、復職後は残業をしないつもりでいました。

でも、仕事をしていれば、どうしても残業が必要になる日もあるでしょう。

そこで我が家では、

「残業が3日続いたら、一度立ち止まる」

という目安を作りました。

ポイントは、体調が悪くなってから休むのではなく、疲れが表に出る前に一度考えること。

3日続いた時点では、まだ本人は「大丈夫」と思っているかもしれません。

それでも、

「最近、残業が続いているな」

と気づくきっかけがあれば、そこで仕事量や休み方を見直せます。

ただし、この「3日」という数字は、誰にでも当てはまるものではありません。

我が家の場合は、夫自身が「残業が続くとしんどくなりやすい」という傾向があったため、この数字を目安にしました。

大切なのは、自分にとって疲れが出やすいパターンを知っておくことなのだと思います。

③ 好きなことができなくなったら、一度立ち止まる

夫の場合、復職に向けて生活リズムを整えたり、体力をつけたりするためにジムへ通っていました。

そして、ジムは夫にとって「好きで続けていること」でもありました。

だから、

「1週間ジムに行けなかったら、一度立ち止まる」

というルールを作りました。

もちろん、1回休んだだけで「無理をしている」と判断するわけではありません。

でも、好きなことをする余裕までなくなっているとしたら、それはひとつのサインかもしれない。

仕事だけではなく、仕事以外の時間にも変化が出ていないかを見る。

これは、夫の場合に限らず、その人自身が「元気なときに自然とやっていること」を目安にしてもいいのではないかと思っています。

たとえば、

  • 趣味をしなくなった
  • 家族との会話が減った
  • 散歩をしなくなった
  • 好きなテレビを見なくなった

など。

「仕事ができているか」だけではなく、仕事以外の生活に変化がないかを見ることも、ひとつの方法なのかもしれません。

④ ひとりで抱え込まず、周りに伝える

これが、私たちにとってかなり大切なルールでした。

体調が悪くなったとき、

「まだ大丈夫」

と自分で判断してしまうことがあります。

実際、どこからが限界なのかを本人が正確に判断するのは、簡単ではないと思います。

だから、

「自分ひとりで判断しない」

ということもルールにしました。

しんどさを感じたら、上司や職場に伝える。

必要であれば産業医などにも相談する。

「もう無理です」となるまで我慢するのではなく、

「最近、少し疲れています」

「こういうことが続いています」

という段階から伝えていく。

もちろん、職場の環境によって、誰にでも簡単に相談できるわけではありません。

それでも、抱え込んでから周りに伝えるより、早めに共有しておくことで、仕事量や進め方を調整できる可能性があります。

家族だけで何とかしようとしないことも、大切にしたいと思っています。

⑤ 有給休暇は「休むため」に使う

そして、もうひとつは少し現実的なルールです。

これまでは、有給休暇というと、

「どこかへ出かけるときに使おう」

という感覚がありました。

でも、復職後は、

「身体を休めるために有給を使う」

という考え方に変えていこうと思っています。

疲れ切ってから休むのではなく、疲れ切る前に休む。

「休むために休む」ことも、仕事を続けていくためには必要なのだと思うようになりました。

また、有給がない状況でも体調が悪ければ欠勤することも選択肢に入れることにしました。

会社にも迷惑をかけるかもしれません。

それでも、体調を崩してしまえば、その後もっと長く仕事を休むことになるかもしれない。

だから、

「休むことは悪いことではない」

と、夫婦で確認しておきました。

「無理をしない」と言うだけでは、難しいから

この5つのルールを作ってみて思ったのは、

「無理をしないようにね」

と言うだけでは、やっぱり難しいということでした。

無理をしている本人も、

「まだ大丈夫」

と思っているかもしれません。

周りから見ても、

「普通に仕事ができているから大丈夫そう」

と見えるかもしれません。

だからこそ、

「こうなったら、一度立ち止まろう」

という具体的な目安を、あらかじめ作っておく。

それだけでも、少し違うのではないかと思っています。

ルールは「正解」ではなく、その都度変えていく

ただ、この5つが正解だとは思っていません。

夫の場合はこうだった、というだけです。

人によって疲れが出るサインは違います。

残業かもしれない。

睡眠かもしれない。

食欲かもしれない。

人との会話かもしれない。

趣味かもしれない。

だから、「うつ病から復職した人は、この5つを守ればいい」という話ではありません。

その人自身が、

「自分は疲れてくると、どんな変化が出るんだろう」

と考えてみること。

そして家族がいるなら、

「どんな状態になったら、一度立ち止まろうか」

と一緒に話してみること。

我が家では、それを少しずつ探していこうと思っています。

復職したら終わりではなく、ここからまた始まる

夫が復職したとき、

「これで休職は終わった」

と思う気持ちもありました。

でも、本当はそこからが新しいスタートなのかもしれません。

仕事に戻る。

生活リズムを作る。

疲れをためない。

必要なら休む。

そして、また仕事を続ける。

その繰り返しです。

「無理をしない」というのは、何もしないことではない。

無理を重ねてしまう前に、自分の状態に気づいて、少し立ち止まること。

そんなふうに考えるようになりました。

これから実際に仕事を続けていく中で、このルールでは足りないことも出てくるかもしれません。

そのときは、また夫婦で話し合えばいい。

我が家なりの「無理をしない」を、これからも少しずつ探していこうと思っています。

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この記事を書いた人

こんにちは。nekozeです。
管理栄養士。
私の夫は6年ほど前に適応障害と診断され、そのまま流れるようにうつ病診断となり、休職を経験、転職を経て現在もうつ病と一緒に生活しています。
毎日の食事で、少しでも心の支えになれば──そんな思いで、ゆるく・無理なく続けられる「うつと栄養」のごはんや日々の事を紹介していけたらと思っています。

正直に言えば、食事だけでうつ病が治るとは思っていません。目に見える効果もわかりづらいです。
それでも、日々のごはんが身体をつくり、身体が心を支える。そう感じる場面が何度もありました。実際、夫の症状も少しずつではありますが安定してきているように思います。

そんな体験もふまえて、肩ひじ張らず、ときには手を抜きながら、続けられる工夫を大切にしています。

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