夫が休職したとき、私の中に小さな不安がありました。
「一人でぼーっとする時間が、なくなってしまうんじゃないかな」
夫のことを考える時間。
家のことを回す時間。
食事を作ったり、夫の様子を気にしたり。
そういう時間が増えていくにつれて、今まで何気なく持てていた「一人の時間」が少しずつ削られていくような感覚がありました。
大げさな趣味の時間が欲しいわけではありません。
通勤中にぼんやり外を眺める時間。
家で一人になったとき、特に何をするでもなくソファに座っている時間。
そんな、名前のつかない時間です。
「これがなくなったら、私はどうなるんだろう」
そんなふうに思ったこともありました。
でも、実際に夫の休職生活が始まってみて分かったことがあります。
一人の時間が自然にできなくなったなら、自分で作ればいい。
とても単純なことでした。
家族を支えていると、自分の時間が後回しになる
家族がうつで休職したり、体調を崩したりすると、どうしても本人のことが中心になります。
「今日は眠れているかな」
「ちゃんと食べられているかな」
「明日は大丈夫かな」
そんなことを考えているうちに、自分のことは後回しになっていきます。
私もそうでした。
夫のために何かしてあげたいという気持ちがある一方で、ずっと家にいると、自分の気持ちを切り替える場所も時間もなくなっていきます。
そこで私は、「一人の時間をちゃんと確保しよう」と考えるようになりました。
とはいっても、何時間も自由な時間を作るのは難しい。
だから、もっと小さな方法で。
私が実際にやっていた「一人の時間」の作り方
1.少しだけ遠回りして帰る
家に帰れば、家事や夫のことが待っています。
だからこそ、すぐに帰らない。
いつもの道を少しだけ遠回りして帰るようにしました。
10分、15分でもいい。
歩きながら、その日のことをぼんやり考えたり、何も考えずに歩いたり。
それだけでも、「家に帰る前の自分の時間」ができます。
大きなことではありません。
でも、私にとっては、この小さな寄り道が意外と大切でした。
2.カフェに寄る
もう一つは、カフェに寄ること。
「せっかくカフェに行くなら、ゆっくりしなきゃ」
なんて考えなくていい。
15分だけでも、お茶を飲んで帰る。
スマホを見てもいい。
ぼーっとしていてもいい。
何かをするためではなく、何もしないために寄る。
そんな時間があってもいいんだと思うようになりました。
3.「一人になりたい」と思っていいことにする
実は、これが一番難しかったかもしれません。
「夫がしんどいのに、自分だけ一人でゆっくりしていいのかな」
そんな気持ちがどこかにありました。
でも、一人になりたいと思うこと自体は、悪いことではありません。
家族を大切に思っていても、自分の時間が欲しくなることはあります。
その気持ちを無理に消そうとするのではなく、
「私は今、一人になりたいんだな」
と認める。
そして、少しだけ時間を作る。
それだけでも、気持ちが楽になることがありました。
「一人の時間」は、特別なことじゃなくていい
以前の私は、「自分の時間」というと、趣味を楽しんだり、どこかへ出かけたりすることをイメージしていました。
でも、家族を支える生活の中では、そんなまとまった時間を取るのは難しいこともあります。
だから私は、
- 少し遠回りして帰る
- カフェで15分だけお茶を飲む
- 買い物のあと、すぐに帰らず少し歩く
- 一人で散歩する
- 家族が寝たあと、何もしない時間を作る
そんな小さなことで十分なんだと思うようになりました。
「これくらいならできそう」
と思えるくらいの小ささでいい。
むしろ、そのくらいのほうが続けやすいのかもしれません。
支える側にも、自分を休ませる時間がある
夫の休職生活を経験して、私は「支える側にも休む時間が必要なんだ」と感じました。
夫を支えることと、自分を後回しにすることは、同じではありません。
家族のことを大切にしながら、自分の時間も大切にする。
その両方があっていい。
一人でぼーっとする時間は、贅沢なものではなくて、私が自分を保つために必要な時間だったのだと思います。
もちろん、毎日きちんと一人の時間を作れるわけではありません。
それでも、
「今日は少し遠回りして帰ろう」
「15分だけカフェに寄って帰ろう」
そんなふうに、自分のための小さな時間を意識して作るようになりました。
家族のことを考える時間が増えたときほど、ほんの少しでも、自分のためだけの時間を残しておく。
今の私は、それも家族を支えるための一つの方法なのかもしれないと思っています。
