朝になっても起きてこない。
起きて朝ごはんを食べたと思ったら、また寝ている。
昼間も眠そうにしている。
そんな家族の姿を見ていると、
「こんなに寝ていて大丈夫なのかな?」
と心配になることがあります。
夫がうつ病で休職していたとき、私も何度もそう思いました。
朝の時間になってもなかなか起きられない。
一度起きても、しばらくするとまた眠くなる。
昼寝をする日もある。
最初は、
「寝すぎじゃないかな」
「もう少し起きていたほうがいいんじゃないかな」
と考えていました。
でも、うつ病の家族をそばで見ていると、単純に「寝ているから起こせばいい」とは言えないことにも気づきました。
この記事では、うつ病の家族が寝てばかりいるときに、家族としてどう考え、どこまで見守ればいいのかについて、私自身の経験も交えながらまとめます。
うつ病の家族が「寝てばかり」に見えるとき
うつ病では、睡眠に変化が出ることがあります。
なかなか眠れない人もいれば、眠っても疲れが取れない人、日中も眠気が強い人など、睡眠の状態は人によって違います。
そのため、
「○時間寝たから大丈夫」
「これだけ寝ているから寝すぎ」
と、睡眠時間だけで状態を判断するのは難しいものです。
家族からすると、以前と比べて明らかに寝ている時間が増えると心配になります。
でも、その変化を見てすぐに、
「寝てばかりいる」
「もっと起きていたほうがいい」
と考えるのではなく、
「今は、眠ることが必要なくらい疲れているのかもしれない」
と考えてみることも大切なのだと思います。
もちろん、睡眠の変化について気になることがあれば、主治医に相談することが前提です。
「寝ている=怠けている」ではない
これは、家族として特に意識したいことでした。
うつ病についてよく知らなかった頃は、
「一日中寝ていると、生活リズムが崩れてしまうんじゃないか」
ということばかり考えていました。
もちろん生活リズムも大切です。
でも、本人が好きでずっと寝ているとは限りません。
体が重い。
何をするにも気力が出ない。
起きようと思っても起きられない。
そんな状態の人に、
「もう起きたら?」
と何度も言ってしまうと、それが本人の負担になることもあります。
家族から見ると「寝ているだけ」に見えても、本人にとっては休んでいる時間なのかもしれません。
では、家族は起こさなくていいの?
ここは、家族として迷うところだと思います。
「本人に任せていたら、ずっと寝てしまうんじゃないか」
という心配もあります。
私もそうでした。
ただ、家族だけで「何時に起こすべき」「何時間寝たら起こすべき」と決めるのではなく、
本人の状態や主治医からの指示、生活リズムなどを合わせて考える
ことが大切だと思います。
例えば、通院や仕事など予定がある日に起きられない状態が続いているなら、そのことを医師に伝える。
薬を飲み始めたり、変更したあとから眠気が強くなったのであれば、それも伝える。
「寝すぎている気がする」という家族側の感覚も、診察時に伝えていい情報です。
薬の影響が気になるときも、自己判断で変更しない
夫の場合も、休職中に眠気が強い時期がありました。
そのときは、本人の様子を見ている私も、
「薬の影響なのかな」
と考えました。
ただ、薬については家族の判断で減らしたり、中止したりするものではありません。
眠気が強いことや、日中の眠気で生活に困っていることなどを、主治医に相談する。
必要であれば、医師が薬について判断する。
家族ができるのは、
「最近こういう状態です」
と変化を伝えるところまで。
そう考えておくと、私自身も少し気持ちが楽でした。
家族ができるのは「起こすこと」だけではない
家族としては、何かしてあげたくなります。
起こす。
散歩に誘う。
食事を用意する。
生活リズムを整える。
もちろん、それぞれできることではあります。
でも、本人の回復を家族が全部コントロールすることはできません。
私が夫の休職中に感じたのは、
「私が何とかしなきゃ」と思いすぎると、私自身が疲れてしまう
ということでした。
だから、
朝ごはんを用意しておく。
起きてきたら一緒に食べる。
散歩に誘ってみる。
断られたら、それ以上は追いかけない。
そんなふうに、できることだけをするようになりました。
起きられた日は、それだけでもいい
うつ病で体調を崩していると、以前できていたことができなくなることがあります。
朝起きる。
着替える。
食事をする。
外に出る。
仕事をする。
元気なときには当たり前だったことが、とても大変になることもあります。
だから、
「今日は朝起きられた」
「朝ごはんを食べられた」
「少し散歩できた」
ということも、その日の一つの変化として見ていく。
家族が、
「今日はこれができたね」
と感じられるだけでもいいのだと思います。
反対に、いつもと違う変化は記録しておく
家族だからこそ気づける変化もあります。
例えば、
- 急に眠る時間が増えた
- ほとんど起きられない日が続く
- 食事が取れなくなってきた
- 日中の眠気が強くなった
- 薬を変更してから眠気が強くなった
- 以前できていたことができなくなった
など。
「これくらいのことを病院で話していいのかな」
と思うようなことでも、気になるならメモしておくといいと思います。
診察のときに本人がうまく説明できない場合もあるので、家族から見た変化を伝えることが役に立つことがあります。
家族が「監視役」にならないことも大切
夫が休職していた頃、
「今日は何時に起きた?」
「昼寝した?」
「ちゃんと食べた?」
と、つい確認したくなることがありました。
心配だからです。
でも、毎日の生活を細かく確認され続けると、本人も息苦しくなるかもしれません。
そして、確認する側も疲れます。
だから私は、
「気にかける」と「監視する」は違う
と思うようになりました。
必要なことは確認する。
でも、それ以外は本人に任せる。
その境界線を少しずつ作っていく。
それは、家族自身を守るためにも必要なことでした。
「寝ている夫」を見ながら、私が考えるようになったこと
夫が休職していた頃は、
「いつになったら元に戻るんだろう」
と思うこともありました。
朝起きられるようになれば安心。
昼寝をしなければ安心。
外に出られれば安心。
そんなふうに、夫の行動一つひとつを見て、一喜一憂していたように思います。
でも、ずっとそうしていると、私の気持ちまで夫の状態に引っ張られてしまいます。
だから少しずつ、
「今日は夫がどうだったか」
だけではなく、
「私は今日どう過ごしたいか」
も考えるようになりました。
夫が寝ているなら、その間に自分の好きなことをする。
一人で買い物に行く。
散歩する。
カフェに寄る。
猫と過ごす。
そんな時間を持つ。
夫が休んでいる時間まで、私が一緒に心配し続けなくてもいいのだと思うようになりました。
家族ができることには限りがある
うつ病の家族を支えていると、
「もっと何かできるんじゃないか」
と思ってしまいます。
でも、家族ができることには限りがあります。
食事を用意する。
必要なときに声をかける。
病院につなぐ。
変化があれば伝える。
そして、自分自身の生活も守る。
それで十分なこともあります。
「寝ているから何とか起こさなきゃ」
「生活リズムを私が直さなきゃ」
と、一人で背負いすぎなくてもいい。
気になる変化は、家族だけで判断しない
うつ病の症状や睡眠の状態は、人によって違います。
また、薬の影響やほかの体調の問題が関係している場合もあります。
そのため、
「これくらいなら大丈夫」
「寝ていればそのうち治る」
と家族だけで判断しないことも大切です。
眠気が強い状態が続いている。
生活に支障が出ている。
食事や水分が十分に取れない。
急激に状態が変わった。
そんな場合には、主治医や医療機関に相談しましょう。
家族ができることは、病気を治すことではありません。
変化に気づいて、必要なときに専門家につなぐこと。
それも、家族にできる大切なことの一つだと思います。
「寝てばかり」に見える家族を支えるときに
うつ病の家族が寝てばかりいると、
「このままで大丈夫?」
と不安になると思います。
私もそうでした。
でも、家族ができることは、本人を無理に動かすことだけではありません。
食事を用意する。
必要なときに声をかける。
変化があれば医師に伝える。
そして、自分自身の生活も大切にする。
それくらいの距離感でもいいのだと思います。
夫の休職中、私は何度も「どうしたらいいんだろう」と考えました。
でも今振り返ると、夫の一日を全部私が管理する必要はなかった。
夫には夫の回復のペースがあり、私には私の生活があります。
心配だからこそ、全部を背負わない。
それも、家族が長く支えていくために大切なことなのだと思っています。
