HSPとは?病気なの?
まず最初に、HSPは病気ではなく気質でありその人が持っている特性のことです。
HSPは、米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、神経が細やかで感受性が強い性質を生まれ持った人のことです。全人口の15~20%、約5人に1人はHSPと考えられています。それほど繊細で敏感な方が多いという事です。
アーロン博士はHSPの特徴として、「DOES(ダズ)」という4つの特徴を示しています。
■ D:Depth of Processing/考えが複雑、深くさまざまな思考をめぐらせる
■ O:Overstimulation/過剰に刺激を受けやすく、敏感で疲れやすい
■ E:Emotional response and empathy/全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
■ S:Sensitivity to Subtleties/些細な刺激を察知する、些細な刺激にすぐ気づく
HSPの人は、HSPではない人と比べて刺激に敏感に反応し、不安や恐怖を感じやすいことが分かっています。相手の気持ちを察知して行動したり、物事を深く考えることができる半面、ささいなことで動揺したり、ストレスに感じてしまうことがあります。
- 最近HSPという言葉をよく聞くようになったのですがどうしてですか?
-
HSPが注目されるようになった背景には、インターネットの普及などで社会環境が変化し、誰もがSNSで自由に発言できる機会などが増えるようになり、刺激に影響を受けやすいHSPの人が気疲れや生きづらさを感じるようになったことが考えられます。複数の著名人がSNSなどで「自分もHSPである」と告白したことが、広く知られるきっかけになりました。また、2020年「繊細さんの本」という自己啓発本がマスメディアに取り上げられたことをきっかけに広まったともいわれています。
HSPの特徴 私もHSPかも?
HSPの人は、以下のようなことを感じたり、悩んだりすることが多いようです。同じような悩みを持っているのであれば、あなたもHSP(繊細さん)の傾向があるのかもしれません。
- 周りの人に「敏感」「内気」と言われることが多い
- 生活の急な変化に弱く、動揺してしまう
- たくさんのタスクをこなさなければならなくなると、混乱してしまう
- 大きな音や強い光が苦手
- 些細なことでも、深く考えすぎてしまう
- 芸術に触れると大きく心を動かされる
- 忙しくなると、一人で静かに過ごせる刺激の少ない場所にこもりたくなる
- 他人の気分に振り回されやすく、対人関係に疲れがち
- 小さな音や匂いも気になってしまう
- 映画やドラマの暴力的なシーンが苦手
※出典:エレイン・N. アーロン著、冨田香里訳『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』(講談社)を参考に一部改変
HSPに種類? 主に4種類あり
●感覚過敏型: このタイプのHSPは、五感に対する過剰な反応が特徴です。例えば、騒音、明るい光、強い香りなどに過敏に反応する傾向があります。
●感情過敏型: 感情過敏型のHSPは、自分や他人の感情に敏感であり、より深く感じる傾向があります。彼らは他人の感情をより強く受け止め、自分の感情にも敏感です。
●社会過敏型: このタイプのHSPは、他人との社会的な相互作用に対して過敏な傾向があります。新しい人間関係や社会的状況に対して緊張しやすく、他人の期待や評価に敏感です。
●思考過敏型: 思考過敏型のHSPは、情報処理において過敏であり、複雑な問題や情報に対して深く考える傾向があります。彼らは洞察力が高く、創造性に富んでいますが、同時に情報過多によって圧倒されることもあります。
これらのタイプは、個々のHSPが異なる組み合わせで現れることがあり、またそれぞれの特徴は他の特徴と重なることもあります。ただし、これらの分類は一般的な傾向を示すものであり、全てのHSPに当てはまるわけではありません。状況によっては異なる症状が出るため、自分がどの種類のHSPにあたるかを把握することで生きづらさの対処法やリフレッシュの仕方を考えることもできます。
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